縄文杉まで、屋久島の中を一人でゆっくり7時間歩いて、ついにたどり着き感動する。
2016年 3/12
屋久島旅行のハイライトの縄文杉です。
目次
縄文杉、宮之浦岳 縦走コースのプランはこちら
地図は「まっぷる屋久島・奄美」より
ハイキングというより、登山です。赤い線をたどって進みます。
行程は
①荒川登山口からスタート
②大株歩道へ ここから本格的な登山道
③縄文杉まで ここまでで4時間半(標準タイム)
④新高塚小屋まで 1時間半
ここで1泊
翌朝
④新高塚小屋からスタート
⑤宮之浦岳に登頂 ここまで3時間
⑥淀川登山口まで下山 山頂から4時間半
⑦紀元杉のバス停まで歩いて、そこからバス(14:50発)で屋久杉自然館まで戻る
1泊2日の山小屋泊で、縄文杉を見て宮之浦岳を登頂します。
宮之浦岳は実は九州最高峰の山でもあります。
ガイドを雇う人も多いですが、私は登山経験者なのでソロで行きます。
「荒川登山口」へ向かう
朝4時に起きて、ゲストハウスの前のお店で前日に注文しておいたお弁当を受け取り、車で屋久杉自然館に向かいます。
そこで駐車してバスに乗り換えます。870円。
屋久杉自然館
屋久杉自然館のバス乗り場です。
すでに人が来ています。
バスは始発で朝5時です。
ドンドンと人が集まってきます。ガイドさんが引率する団体さんもいくつかあります。
みなバス待ちです。
朝食を食べ始める人たちもいました。
モタモタしていたら、いつの間にか行列が出来ていて、慌てて並びましたが助手席になってしまいました。
バスは満員ですが、何とか乗れました。
荒川登山口
朝5:30です。30分で荒川登山口に到着しました。
小屋がありますので、ここで登山用ウェアに着替えてトイレを済ませて、登山届けも書いて出します。
朝食もここで食べていきます。2つ買っておいた弁当のうち朝食用の弁当を食べました。
6時、準備万端で、縄文杉を目指して荒川登山口を出発します。
天気も良く、テンションが上がります! しゅっぱーっつ!
縄文杉を目指して歩き始める
トロッコ道と呼ばれる運搬車両用の軌道が、大株歩道入り口(最初のマップの②)まで8キロにおよび全行程の大半を占めます。
途中、トンネルや橋、伐採時の機関車などがあります。
小杉谷橋
小杉谷橋を渡ります。
トロッコ道の横に川が流れています。
こういう道が続き、てくてく歩きます。
えっ?! 縄文杉?
ちがいます。
こういうトロッコ道を歩きます。勾配はあまりないので、きつくはありません。楽しいです。
たまに、チラッと展望が開いて山が見えたりします。
チラリと見えるとなりの山。いいですねえ。岩のゴツゴツもかっこいい。
小杉谷集落跡
小杉谷集落跡
小杉谷は大正12年(1923)から昭和45年(1970)にかけて行われた杉の伐採で栄えた集落。最盛期には133世帯が暮らし、商店や理髪店がありました。現在は小中学校の跡地があります。
休憩所があったので、みんなここで一服です。
誰かが人形を置いたようです。本物ではありませんよ。
三代杉
三代杉
小杉谷集落跡から40分ほど歩けば、縄文杉コース最初の屋久杉である三代杉が道沿いに見えてきます。倒れた木の上に新しい芽が根付き、2代目、3代目と成長を続ける杉のたくましさに感嘆します。推定樹齢350年(三代目)。樹高38.4m。倒木の上を新しい杉がまたいで育ち、倒れていた倒木が朽ち果ててなくなり、空洞になっています。
仁王杉
仁王杉
三代杉からさらに進むと、橋の手前に仁王杉が現れます。2000年前に倒木した吽形(うんぎょう)と合わせて寺門の左右に立つ仁王像のようだったことから命名されました。複雑にうねる幹には迫力があります。推定樹齢不明。樹高22.8m。
大株歩道へ入り、本格的な登山道が始まる
9:50に大株歩道入口に着きました。
トイレがありますので済ませておきました。
大株歩道入口
ここからは本格的登山道です。
ここは休憩ポイントなので、お弁当を食べました。
登山でのお弁当は本当にうまいです。
翁杉
翁杉
2010年9月に倒木しました。切り株が残っています。推定樹齢2000年。倒木前は樹高23.7m。
ウィルソン株
ウィルソン株
植物学者アーネスト・ウィルソン博士が世界へ発表したことから名前が付けられたウイルソン株。博士が洞窟と思って雨宿りしたというほど巨大です。推定樹齢2000年。
天正14(1586)年、豊臣秀吉が島津藩に銘じて伐採。株の近くには伐採の残りと思われる幹の先端があり、それから分析すると樹高は42m。屋久杉でもっとも高い存在だったかもしれない。
切り株に入って右側から上を見上げれば、ハートマークに見えるという記念撮影ポイント。
大王杉
大王杉
いくつも続く階段を上っていくと、縄文杉が発見されるまで屋久島最大とされていた大王杉があります。推定樹齢3000年。樹高24.7m。
夫婦杉
夫婦杉
屋久杉によくみられる枝が融合して成長した合体木だが、高さ10mほどの高いところでつながる木はめずらしい。向かって右が夫、左が妻と言われます。推定樹齢2000年(夫)、1500年(妻)。樹高22.9m(夫)、25.5m(妻)
縄文杉を、なんと、貸し切り! 独占! 一人じめ!
縄文杉に到着しました!
やったーーー!
縄文杉
昭和41年(1966)に発見された屋久杉最大の老樹。当時は発見者の名前から大岩杉と呼ばれていました。樹齢はいまだ不明。一時、数本の木が合体した合体木という説が浮上しましたが、その後の調査により単体であることが判明しました。ゴツゴツした木肌や大きな枝ぶりで、荘厳な雰囲気が漂っています。推定樹齢2170~7200年。樹高25.3m。
内部が空洞化していてもっとも古い部分がなくなっているため、詳しい年齢は不明とのことです。
13時に到着しました。
標準タイムは4時間半でしたが、ゆっくり歩いたため朝6時から7時間かかりました。
推定寿命の2000年~7000年ってのは、だいぶ幅がありますが、それでも2000年以上生きているのは確実のようです。
2000年前の土器とか建造物とかあるんでしょうが、2000年以上「生きている」ってすごいですよね?
しかも、「今も」生きているだなんて! すごすぎる。 そして、さらに「目の前で」生きているんです!
何とも言えない、不思議な気持ちになります。
旅って、自分が見たことないもの、経験したことのないもの、非日常を求めることだと思いますが、縄文杉はその極みのようなものですよね。
私たちは日々をあれこれ考えて生きていて、年老いて80歳くらいで死んでいきますが、一方で縄文杉は紀元前から生きていて縄文時代も貴族の時代も武家の時代も戦争中も生き続けてきたわけです。
自分の時間軸のあまりのちっぽけさに切なくなります。でも、だからこそ、自分の今を精一杯生きなきゃと思います。
私の他に団体客や数人のグループなどいましたが、彼らは日帰りらしく帰っていき、私はしばらく一人っきりで縄文杉を眺めていました。
この屋久島の奥深い森の中で、一人っきりで縄文杉と対面しているのです。
高塚小屋
高塚小屋です。
縄文杉から歩いて15分のところに、この山小屋があります。20人くらいは寝れます。
ここで一泊して朝日に染まる縄文杉をねらうというプランもあります。
丸太小屋で壁からスキマ風も入ってきそうなので、泊まる場合はしっかり防寒した方が良さそうです。
私は翌日の宮之浦岳への縦走があり、バスの時間までに下山完了するためには早めに出発しないといけないので、この先の新高塚小屋まで行きます。
新高塚小屋
縄文杉から2時間かかって、15時に新高塚小屋に到着しました。
途中で雨が降り始めてましたし、かれこれ9時間歩いていますので、小屋についてホッとしました。
小屋の周りを1時間ほどウロウロしましたが、雨と杉だらけで景色も見えませんので、寝ることにしました。
早いですが、16時に寝ました。
小屋の中は2階(ロフト)の作りになっていて、40人くらいは入れそうでした。
私とは反対側に白人3人組がいました。濡れたものを乾かしています。
左側の手前の手すりに干してあるスパッツは私のです。
この日は全部で10人くらいは小屋に泊まりました。私の他にソロの人も3人くらいはいました。
翌日の宮之浦岳へと
つづく